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続・まりおの部屋

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2007年 10月 29日

一枚の画

この間日本画展に行ったからというわけではありませんが、今日は一枚の画にまつわる想い出話をひとつ。

気がつけば、殺風景な我家の居間にも画が飾ってあったのですよね。

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もう大昔になってしまいますが、フランス語の勉強と称して、ほんのちょっとだけパリにいた時に知り合ったフランス人の女性が、結婚のお祝いにパリの想い出としてモロッコまで送ってくれたものです。

画用紙にパリのノートルダム寺院が水彩画でさらっと描いてあるだけなんですが、とても気に入って、ずーっと居間に飾ってあります。

彼女はひょっとすると、当時、今の私くらいの年だったかもしれないと思います。
実際は、私の日本人の友人、その彼女の友人のお母さんだったのです。

フランス人の友達の家に誘われたから、一緒にどう?と言われてのこのこついていったのですが、なぜか、このお母さんに私はとても気に入られてしまいました。

彼女は画を描く人、いわゆる芸術家肌の人でした。
ちょっと変わってるといえば変わった人で、世間に疎く家事もほとんどしないという話。
実際、遊びに行って食事も一緒ということになると、娘かだんなさんが台所に立っていましたから。

ほとんど出かけることもなく、画の用事でたまにパリに出るくらいらしく、暑さと歩くこと、そして人ごみは大嫌いと言っていましたっけ。

彼女との一番の想い出は、彼女がデッサンで私を描きたいと言ったので、ある時彼女のアトリエに初めて入らせてもらった時のことです。

季節は春。 

アトリエは時間が止まったかのような静寂に包まれ、窓の外のプラムの花の花びらの散る音さえ聞こえてきそうでした。

実際、この時の窓の外の風景は忘れられません。
少し向こうを向いて、という彼女のリクエストに応えた視線の先は庭に果樹の花が咲き乱れていました。

郊外電車で小一時間揺られた所にあるその家は、小人の隠れ家のように可愛らしく、私を魅了したのです。

彼女は私がパリの街が好き!と言ったので、ノートルダムを描いてくれたのだと思いますが、本当はあの可愛らしい庭を含めた彼女の家の画も欲しかったなあ、、、と今でもふと心に思います。

彼女とはモロッコに来てからも文通をしてましたが、子育てに忙しかったりの中、いつの間にか断ち切れてしまいました。。。

もうおばあさんになってしまった彼女でしょうが、赤が大好きと言っていたから、赤いジャケットを羽織って庭でスケッチをしている彼女の姿が浮かびます。
元気だといいなあ。。。

by nmariomama | 2007-10-29 21:18 | 想い出の一枚 | Trackback | Comments(16)