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続・まりおの部屋

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2007年 10月 04日

息子のラマダン顛末記

先週の土曜日の朝のことです。
息子が胃痙攣のような症状を起こして、てんやわんやでした。

嘔吐・下痢、、、かなり苦しそうだったのでとにかく病院に! でも、動けそうにないので救急車か! もうこっちも焦りまくり。 救急車を呼ぶにも普通の救急車では呼んでも早くて30分、、、悪くすれば何時間も待たされるという話だし。それにどんな病院に連れていかれるかわからない、、、、ほら、私営で救急車みたいなのがあるじゃない、あれは!?? 高い! って言ってる場合じゃないでしょう!

夫、階下の義兄の所に走る。。。
何かあるとすぐにこうなんですが、まあ、お知恵拝借なんです。

これを聞いた義兄の奥さんが、すかさず自分の姉の所に電話をかける。確か少し前に彼女の息子が入院していた病院、あそこがいい、誰か知っている人がいるかどうか、、、
ここがモロッコでは重要な問題。 どんな場合でもそこに知人がいるのといないのとは事の運びが大違い。 まず、待たされない。これが一番大きい。

まあ、ここまでの血族の連携プレーの見事なこと! 私は傍らで見てるだけ。
幸い息子もその間に少しは落ち着き、救急車を呼ぶまでもないだろうということになり、両肩を抱えられて車でその病院まで運ばれたしだい、、、やれやれ。。。

で、息子に何が起こったか、、、、要するに疲労が胃に来たんですね。検査結果、食中毒の疑いもなく、疲労とストレスが原因だろうという医者の話。
このラマダンに入って、息子はかなり無理をしていたと私もみていたのです。特にラマダン2週目から仕事はもちろん、その他のプライベートな付き合い、目一杯動いてましたから全部胃に来たのでしょう。

しかし、なんというか、、、ここで誰もラマダンのせいだとは、絶対に言わない。一番の原因はラマダンの断食で体が疲れていたこと、、、なはずなのに、それは明らかなのに絶対に誰も口にしない。宗教ってそういうもんなんだなあ、、、と変に感心してしまった私でした。

息子は義兄の奥さんの姉の知人の何とかさんという人のおかげで、待たされることなく診てもらえ、あまつさえ個室まで手に入れて、点滴を受けること3泊4日。その他特に異常もなく無事退院してきたというわけです。 やれやれ。。。

点滴と点滴中の息子の手^^;
息子のラマダン顛末記_e0092286_174549.jpg息子のラマダン顛末記_e0092286_1753238.jpg









彼は15歳あたりからボチボチでラマダンを開始しましたが、このような結末は初めて。何しろ仕事も一年めですので。
さすがに医者からも今年はもうしてはいけない。ちゃんと薬を時間通りに飲みなさい、(断食をしている時は昼間に薬も飲めないのです。)とのお言葉を神妙に守ることにしたようです。私としてはまだ続けると言ったら、張った押してやろうかと思っていましたが。。。

因みに以前、私が胃を壊した時、すぐ後にラマダンが迫っていたので先生に、ラマダンはどうしましょう、とお伺いを立てたら、可能ならばやめたほうが良いでしょう、というお答えでした。まあ、すべて自己管理、自己責任の宗教の下での断食ですので、いくら医者に止められてもやる人はやるのでしょうが、、、

今回息子は私立の病院を使いましたが、公立の病院は大幅に治療代が安い代わりに(昔は無料でした。)待たされることこの上なく、医者もピンからキリまでいて変なのに当たった日には目も当てられない結果に。。。この公立こそ知人やコネがないと何も話は運びません。

又、モロッコでは医療保険は公務員と一部の私企業にあるのみで、所謂国民健康保険というのがありません。ですから、保険がなければ当然公立の病院に足を運ばざるを得ず、思うように医療機関にかかれない人がたくさんいるのが現状でしょう。特に地方はまだまだ病院の数さえ足りなかったり、医師が不足だったりと医療環境も良くないようです。

しかし、まあ、又ここでグチになりますが、全くなぜこうもモロッコ人は見舞い好きなんでしょうねえ。。。入院した途端に病室に夫の長兄夫婦が現われたのには仰天しました。義母が電光石火、あちこちに電話で報せたのでしょう。 たった4日の、まあ言ってみれば疲労回復の点滴だけの入院にかくも見舞い客が来るとは、本当に、、、言葉がありません。。。

それについては、以前モロッコの病気見舞いとして記事にしましたので、詳しく知りたい方は過去記事のこちらをどうぞ。

そうそう、入院した時の病院食ですが、もちろんあります。 ただ、なんと言うか病人に合わせた食事は期待できず、画一的。手術後であろうとぐったり担ぎ込まれた後であろうと普通の病人食(薄味で油分控えめ)という感じで出てきます。それで食事付き完全看護体制であっても病人に合わせて家で何か作ってくることに。。。まあ又こういう時に姉妹なんかがこぞって何か作って届けたりしますので、こちらの人にはなんの不自由もないみたいですが。

(本当はこの病院食の写真も撮りたかったのですが、どういうわけかいつも他に人がいたり、食べた後だったりしてチャンスを逃しました。)

というところで、息子のラマダン顛末記、、、長くなりましたがこの辺で。。。

夜、フトールの後病院へ行く途中、車の車窓から。
光の流れは、ラマダン中で飾られているイルミネーション^^ゞ
息子のラマダン顛末記_e0092286_17122356.jpg


息子のラマダン顛末記_e0092286_17143789.gif追記:9月25日以降のコメントのお返事が遅れていてすみません。 この後ボチボチで入れますのでご了承を。。。

by nmariomama | 2007-10-04 17:21 | ひとくちモロッコ


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